一つの組織があって
Aは組織を良くしていこうとして
Bは組織が良くなることより自分の利益を考えてる
BはAを疎ましく思い、追い出したい
簡単だ
BはAが望む組織の方向とは逆に組織を動かそうとする
組織にとってマイナスでも関係ない
AはしばらくBの行為と組織の様子を見守る
しかしエスカレートするBの行動と
組織凋落の兆候に耐えきれず
AはBを諌める
BはAを無視
Aは組織を思い、その構成員を思い
Bには任せられないと告げる
Bはなおも無視
Aは言葉を尽くし、理を尽くし
時に感情をぶつけてでも、
Bの暴走を止めようとする
どういうつもりなのか
何をかんがえているんだ
組織をどうするつもりだ
お前にはまかせられない
いい加減にしろ
もうやめてくれ
Bはそれらすべてをあらゆる手段で記録し、
都合の良いところだけ繋ぎ合わせ告発する
記録に残るのは
Aの怒声ばかりだ
懲罰委員会は
その音声とBの訴えのみに耳を貸す
前後の脈絡など関係ない
Aがどれほど組織を思い
心を砕き
身を粉にして尽くしてきたかなど関係ない
Bによる法に触れるほどの背信行為は
取り上げられることさえない
組織を思い良くすることだけを考えるAと
Aを貶めることだけを考えるB
BがAを追い出すのは簡単だ
Aは追い出されてようやく気づく
そうか、これが狙いだったのか
組織への思いが強いほど
その罠には気づかないだろう
それでもAは言う
「私も良くないところがあった
Bは辛かったのかもしれない」
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この物語を、客観的に捉えると以下のような構成が見えてきます。
登場人物
- A:献身者
組織を良くしたいという純粋な想いで動く。誠実で、熱く、責任感がある。 - B:利己的な実力者(または策略家)
自分の地位・利益・支配欲が最優先。組織より自己保身・権力維持が重要。
構造的な問題
- 記録と印象操作
「文脈」や「想い」は記録に残らない。残るのは「怒声」「態度」「強さ」だけ。
感情の表出が悪とされ、冷静な操作が正とされる構図は非常に現代的。 - 懲罰委員会という無機質な権威
その判断基準は「情」ではなく「証拠(のようなもの)」。
都合の良い記録だけを材料に裁かれる。
Aの悲劇
- 真っ直ぐな善意が罠になる
誠実であるがゆえに、欺瞞や裏の意図に気づくのが遅れる。
組織のことを思うから、Bと真正面から向き合おうとする。
その「情熱」が「攻撃性」とされてしまう。 - 自責の念という誠実さの代償
Bの仕組んだ罠だったと気づいた後も、Aは自らの非を認めようとする。
「自分も悪かった」という言葉は、Aの組織に対する最後の愛だと思えます。
補足:この構図の怖さ
これは組織内モラルハラスメントや内部告発の逆利用の典型です。
- Bは「記録」と「制度」を武器にし、正義の仮面をかぶる
- Aは「情熱」と「現場」で戦うため、制度の中では敗者となる
- 組織はBの巧妙さに気づかない
Aの最後の言葉の意味
「私も良くないところがあった。Bは辛かったのかもしれない」
これはAが敗れたのではなく、勝った証かもしれません。
最後まで「相手を人として見ようとする姿勢」は、Bが一度も持ち得なかったもの。
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この物語は
馬鹿げてる
Aは悲劇のヒーロー気取りで
弱虫だ
このまま終われば、
Aは「正しかった」と自分に言い聞かせながら、静かに姿を消すだけの人になる。
そしてBは笑う。
「やっぱり簡単だったな」
「善人ぶってる奴ほど扱いやすい」
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でも──
もしこの物語がここで終わらなければ?
Aが立ち上がる。
結果を変えると決めた瞬間、物語は動き出す。
静かに、徹底的に。
物語はまだ続く。
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